レビュー
MBAのノウハウを実践に即してまとめた書。MBAのエッセンスをまとめた他の「速習本」に比べて、図表を多用している点や多くの事例を用いて解説している点が特徴で、より実践的な理解を助けてくれる1冊である。 取り上げているのは「戦略」「マーケティング」「組織」「会計」「コーポレートファイナンス」のMBA必須5科目で、最後に「トピックス」としてSCM(サプライチェーン・マネジメント)などの3テーマを加えている。見開き1テーマで、それぞれに「もっとも効率的な組み合わせを考える(マーケティング・ミックス)」「この期間、いくら稼いで、いくら損をしたのか(損益計算書)」といったわかりやすいタイトルをつけている。 戦略の意義や構造から、経営理念、環境や市場などの分析、競争戦略へと続く「戦略」では、たとえばPPMでキヤノンを、SWOT分析でNTTを、ポーターの「3つの戦略」で自動車業界各社を取り上げている。環境分析から市場・顧客の選定、マーケティング・ミックスへと続く「マーケティング」では、キリンの発泡酒「極生」の事例を軸に解説するほか、「組織」でも、ソニーのカンパニー制や日産の組織変革、ソフトバンクのストックオプション制度などを紹介している。 また、図を駆使することで、「会計」では財務諸表から損益分岐点分析までを、「コーポレートファイナンス」では時間的価値や資本コストからDFC法までをわかりやすく解説している。ここでも、財務諸表や株価収益率(PER)の事例を載せており、参考になる。身近な生きた事例が魅力の1冊。(棚上 勉)
カスタマーレビュー
最もシンプルな参照資料実は海外MBA取得者ですが、この本はちょっと記憶が定かでないフレームワークや、定義をさっとひくには非常に便利。整理も要点をついています。よくこのシンプルなサイズにまとめましたねと感心します。 この本だけでMBAを学ぼうというのにはさすがに無理がありますが、使い方次第でこれほどバリューフォーマネーな本は少ないと思います。 実用的です。短時間で俯瞰できる参考書としてなら全体を俯瞰する読み物としてよいと思います。 文庫本で安価です! MBAといっても学位を所有するか否かに関係なく この手のチエって、ビジネスマンには必要ですよね。 内容は詰め込みすぎで(仕方ない)、これ1冊で すべてOKとはいいにくい。あとは、読者次第と いったところでしょうか。 でも、私の提案する使い方として、2つ。 (1)社会人1年生など、ビジネスの世界を知る最初の1歩として。 次は、グロービスのMBAシリーズあたりにいくのでしょう。 (2)ある程度ビジネスのチエのある人が全体を再度確認する。 結構、専門化しすぎると他の分野との関連性を見落としがち。シンプルイズベストここまでシンプルにわかりやすくMBAの重要なポイントをついて書いてある本は珍しいのではないだろうか?MBA絵本のように見えながら分厚いビジネス書以上の洞察も随所に見られる。たいていのビジネス書は戦略やマーケティングコンセプトの説明で終始していることが多いが、この本はそのコンセプトを具体的にどう使えばよいのかを事例豊富に解き明かしてくれている。確かにこの本でMBAのすべてを語るのは無理だが、ちゃんとマスターすれば日々のビジネスにも相当プラスになりそう。なにより読みきろうという気にさせる分量と書き方が気に入りました。
|