カスタマーレビュー
米国軍事史の走馬灯著者の情勢分析は、観念・形而上に拠らず常に明快です。遂に軍事に於ける一極支配体制を勝ち得た米国が、如何に 自国軍を進化させて来たのかと謂うその必然の道のりを 建国当初に遡って解説してくれています。 著者の手に掛かれば、一つ一つの制度・技術・事象が時を 追って米国の強大な軍事プレゼンスに結実して行く様を 走馬灯のように一夜で魅了させてくれる事でしょう。 例えば、州兵・文民統制・ph5・パウエル・国家安全保障省 ・鋼板・カタパルト等々・・・こんな言葉達からあなたは何を 想像しますか?マス・メディアの吹く笛に踊らぬ爲の必讀書.?アメリカによるアフガニスタンのタリバン政權への攻撃から今日のイラク攻撃に到る迄 マス・メディアと其の周邊にたむろする者達の 自らの非力は棚に上げての見境の無いアメリカ非難は 今や目に餘る有樣だ.さうした慰み事に現を抜かして明暮れ耽り 一體何が判つたといふのであらうか. ?? 中には反米を作法だなどと 自らの思考停止を鼻に掛け 本にする者まで現れる.彼等が槍玉に擧げるのは 謂はばアメリカといふ體から剥れ落ち 最早命の失はれた垢やふけの類に過ぎ無い.其れを一々拾ひ上げ「アメリカの落した垢や雲脂なるものは此れ程に汚らしい」と得意氣に非を鳴し デマ!ーグたる己が氣??質に餌を呉れて悦に入る.垢や雲脂なら當のアメリカ自身さへ最早不要と言はうものだ. アメリカを極惡な國と見立てて揶揄し批難を繰り返し 興ずる事は甚だ容易い.が容易さ故に 針の穴から覗いたアメリカを 恰もアメリカの總てであるかの樣に言ひ立てるのでは 己が無知を好んで世間に廣める事に他ならぬ. ?? 扨て然うした情無い今日の日本にあつて 此のところの長谷川氏の 所謂アメリカ一極支配といふ世界情勢に對する透徹した見通しと肯定的な評價とは ますます現實の世界の生き生きとした動きを反映し餘す處が無い. ?? 長谷川氏にとり軍事研究はライフ・ワークである.此の著作にはダイナミックな歴史と命の營みを繰廣げる生きたアメリカの姿がある.斯くして披瀝!れる長谷川氏の物の見方は 言説を操る事に終始するマス・メディア業界などとは係はりの無い 日々新たな取り組みの中で生きなければならぬ多くの人々にとつても 親しい世界である.詰りは常識の働く世界だから??だ.其れゆゑ長谷川氏の著作に接する者は必ずや 心地よい安堵の思ひをも味あふ事が出來る事を 愛讀者の一人として此處に請合ふ次第である.?
|