カスタマーレビュー
北朝鮮のみならず韓国のことも日本のことも良く分かる 北朝鮮はどうしてあのように専制的で、日本に対して威圧的なのだろう。韓国の男性はどうして厨房に入らないのだろう。韓国にどうしてキリスト教徒が多いのだろう。北朝鮮も韓国もどうして大国、特に中国に従順なのだろう(事大主義)。 本書を読むとこれらの疑問が氷解する。そしてあらためて歴史の重さを感じる。これらは主に次の理由による: ?日本より厳しい儒教を中心とする李朝王朝の伝統が朝鮮半島に強い影響力を残していること。そして北朝鮮の専制体制は李朝王朝に非常に良く似ている事。 ?父系血縁制が徹底している事。 ?海に守られた日本は中国の朝貢国となることを免れたが、李朝はずっと中国に朝貢していたこと。 また、北朝鮮も韓国も戦後漢字を廃してハングルのみを使用したが、これによって抽象的な思考ができなくなり、過去の文化の継承が困難になったという指摘も興味深かった。 北朝鮮も韓国も、儒教の影響を受けているところや言葉の語順は日本と似ているが、文化や考え方が大幅に異なるのは、歴史的背景によることが良くわかった。両国間の溝は乗り越えられるのか?日本から見ると奇妙な北朝鮮の言動が、どういう背景から来ているのか、わかりやすく解説されている。しかし、両国間に横たわる溝を乗り越えるのは、簡単でないとの思いもよぎる。米国をはじめとする欧米の理念や思考に、日本人の理解できない部分が多々あるが、それでも北朝鮮のそれに比べれば、理解しやすく、普遍性を持っているように思える。拉致や核開発問題、また教科書や靖国問題解決のために、この北朝鮮のみならず韓国との間に横たわる溝を乗り越えることは、アジアの隣国同士であるにもかかわらず、欧米諸国以上に難しいのではないのかと、暗澹たる気持ちが湧いてくる。全世界の人に読んでもらいたい!!最初に一通り読んで思った事は、この本は日本人に北朝鮮と言う国のバックグランドを知ってもらうのと同時に、韓国を含むアジアに向けての警告でもあり、アメリカをはじめアジア以外の国に向けての警告でもあるなと感じた。 北朝鮮の人々がどうしてあのようになってしまったか?現在の日本に有る情報は一つ一つに事柄に一部のマスコミが過剰に表面的に反応して日本人を煽りたてているだけである。やはりバックグランドを知らないと、ただ野蛮な恐ろしい国だと認識するのは自然であり偏見が偏見を生む悪循環に入り込む。この本を読むと歴史にそって北朝鮮の変遷が見えてくる。どのようにして今の北朝鮮とつきあって行けば良いのか、是非この本をたくさんの人に目を通してもらい様々な角度から議論・検証を重ねて行くとこが必要だと感じる。
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