カスタマーレビュー
武士道=「高き身分の者に伴う義務」「武士道」とは、すなわち、「高き身分の者に伴う義務」(ノーブレス・オブリージュ)である。説明するまでもなく、明治新政府の誕生と廃藩置県によって封建体制は完全に解体し、「武士」という特権階級もなくなるわけであるが、その精神だけは、何らかの形で僅かながら後世にも残っていくことになった。一個人が高き理想を持って実践するのは、大いに結構であるが、本来、武士道とは、支配階級であった者の道徳であって、これに学ばなければいけないのは、寧ろ、政治家や高級官僚、大企業の経営者等なのである。それが現実はどうであろう。不正献金や賄賂を受け取っても大物は処罰されず、自らの栄達だけを求めて税金の無駄遣いにも目をつぶり、「自分さえ得すればいい」とばかりに理不尽なリストラを断行する。武士道の欠片さえない人物が多数を占めている。「武士に二言はない」というが、「公約を守らないくらい大したことではない。」などという発言が通ってしまうのだから、目の前が暗くなる。そうした堕落の当然の帰結として、世界ではエコノミック・アニマルなる不名誉な名で呼ばれるまでに貶められている。 読み方によっては「危険思想」にもなりうるが、著者の意図は別のところにあろう。それは、何度も暗殺の標的にされながら、決して刀を抜かなかったという勝海舟の例を挙げていることでもわかる。武士道の究極の理想は平和なのである。 最後にジャウエットの言葉を引用しよう。「人は世界を異教徒とキリスト教徒とに分けた。だが、前者にどれほどの善が秘められているのか、後者にどれほどの悪が混在しているのかを考えてこなかった。自分の最良の面と隣人の最悪の面とをくらべ、・・・公平さを目指さず、自分の宗教のみを誉め、他の様式をもつ宗教について悪口を言い、それで満足してきたのである。」誇り高き武士の道この本を読むと昔の日本人はこんなに高潔だったのかと思う。 そして、今の日本人はただその精神を忘れているだけなのだろうと思う。 「誠-武士道に二言がない理由」、「名誉-命以上に大切な価値」などを 読むと今の日本人が忘れている大切な心を感じる。 自分も含めてだが、最近、精神的に弱い人が多く見受けられる。 その理由として、その人の精神的支柱が欠けているからではないかと 考える。他国ではキリスト教などの精神的支柱があり、行動、思考の 拠り所が存在する。日本人の精神的支柱となるのがこの武士道だと思う。 「武士道」を読むことにより、 日本人の心の奥底にある大切な精神を呼び起こすきっかけになると思う。是非!全国民に!最近、情けない事件が多過ぎる・・・ 大和魂とは何なるか? この本を読んで、日本人であることの誇りを持ってほしい。 時代は違えど、今に活かせることも多く書かれています。
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