カスタマーレビュー
1時間弱で読みました。提言書ならこのくらいシンプルでなきゃ1時間弱で読むことができました。提言の内容よりも堺屋さんの時代感というのか、歴史観というのかがとても好きで彼の著作が出るたびにできるだけ読むようにしています。なので内容的には継続性があり、新味に欠けるというところも多少あったのですが、この本で印象に残ったのは「しないことの失敗」という言葉。また、堺屋さんも「道州制」を上げられたことも面白かったです。東京一極集中への批判も面白かったです。首都が変わるときに時代も変わるという日本人の歴史を踏まえた提言も面白かったです。社会主義国日本堺屋さんの日頃の言動や今までの著書で書かれていることの総まとめ的な本です。この本を読むといかに日本が官僚主導であり規制の多い国であるかが分かります。世界で唯一社会主義が成功した国「日本」と揶揄される理由が良く分かりました。そしてこれらの規制を撤廃することで日本はまだまだ成長を続けることが出来るのではないかという期待も膨らみました。知価社会に向かう提言第一部は現在の問題をいかに解決するかの、第二部は現在の体制をどのように変えていくかの、第三部はどのように考え方(倫理観)を変えていくかの、それぞれ各4つの、計12の提言からこの本は成っています。 この本の基本理念は、今までの全ての人が同じ事を考え同じ行動をとる事が有利な工業社会(企画大量生産社会)を脱皮し、各個人が多種多様な考え方を持ち、その事が価値を産む知価社会に移行して行く為には何が必要かを提言としてまとめています。 今まで堺屋さんの本をかなり読んできましたが、ここまで具体的に何をどのように行っていくかを書いた本はなく、堺屋さんの理論をよりリアルに感じられ、日本の景気回復が不可能ではないと実感できます。 文中で「今の日本は解決策のない悲観的な!測ばかりで、これでは全く世の援けにはならない」と訴えています。 そこで具体的な解決策を示し、一筋の光を挿す為にこの1冊を書いたと思います。 少しでも興味のある方は是非読んでください。明日の日本に期待が持てます。
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