レビュー
「がんばらない」「肩の力を抜く」というのが、本当の「できる男」への近道なのだと説くユニークなビジネスマン応援本である。主人公は営業歴2年半の「茂手内(もてない)」クン。なんともさえないこの若き営業マンと、彼にあらゆる指南を与える人生の達人、片手間昼寝男こと藤井との奇妙なやりとりが興味深い。「がんばらなくてもいいツボ」「3秒で売れる決めゼリフ」など、ビジネスの極意を次々と教えてくれる。 著者は30代前半の広告プランナー兼経営コンサルタント。高校在学中の印刷会社でのアルバイトを皮切りに、新たな印刷会社の新規開業への参加、リストラ、広告の企画制作会社の設立、倒産の危機などを経験し、2001年に経営コンサルタントとしての活動を開始。約2500社以上の相談にのるなどの実体験に基づく独自のビジネス論は一見かなりコミカルに写るが、「評価されるのは『儲けたい』『売りたい』などのビジネス上のエゴを抹殺できる人だけ」などの提言に見られるように、核心を鋭く突くリアリティーに満ちている。 経済不安、業績不振、リストラの恐怖、過労など、現代のビジネスパーソンは多くのストレスにさらされながら今日を生きている。実力主義・能力主義という大号令のもと、ノルマにおびえる日々。そんな苦労を笑い飛ばし、「苦痛だけが残る無意味ながんばりはもういらない」「がんばりどころを変えるだけで、あなたの生活は劇的に楽しくなる」と視点を逆に方向転換することで、新世代の「できる男」の処世術を軽やかに提案していく。(田島 薫)
カスタマーレビュー
著者の言うことは本当だと思いました。自分も営業成績が悪いとき、上司に「休んでる場合じゃないだろ」などと言われ、休日出勤したりしてました。頭では「むやみに頑張ってもなぁ?」と疑問に思っていたのですが… この本を読んで、その謎が解けました。それは上司の機嫌をとるために頑張っていたのだと。これからは、ムダな頑張りはやめようと思います。面白い挑戦前半部分と後半部分は、かなり印象が違う。 段階的に、内容が深くなっていくあたりは導入がうまいと思う。 「殿様セールス」「断ることを覚える」などを提唱している 大御所に比べ、この本の手法はマニュアルや定型パターンがない のが弱点か。 ただし、上記の人たちの手法に比べ、形がないだけに 効果は長続きするだろうし、氾濫して使えなくなるというとが ないのは逆に強い。 内容的には、ベテランコンサルタントにもろ対抗している 気がする。この著者が、大御所を”ご老体”にする実力があるかは わからないが、まっこうから挑戦して新しい時代を作ろうと しているのは感じることができる。為になるもならないも、読む人の気持ちしだいの本だと思う前作「バカ売れの法則」同様に、賛否両論ある本だと思います。 片っ端からビジネス書を読んでいる人からすると、 物足りなさを感じるかもしれませんが、この本は、本当の意味での お客様との付き合い方、接し方を解いた本だと思います。 私にとっては、お客様との付き合い方を再認識させてくれた本でした。 お客様との付き合い方って、自分でもわかっているようで、 わかっていませんでしたから。 読み終わったあとで思ったのですが、この本を受け入れる人は、 気持ちが素直なんじゃないかな。私自身が素直かどうかは わかりませんが、昔の自分に、いい意味で戻れるような気がします。 少なくとも私は、この本を読んで、得たものがあります。
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