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歴史学ってなんだ

歴史学ってなんだ ISBN:4569632696
出版社:PHP研究所
Author:小田中 直樹 
Media:新書
価格:714




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カスタマーレビュー
意図通りの「適切な入門書」歴史学に関わる人々には是非読んでいただきたい書である。
歴史に長く携わっている方々には「今更こんな本」と思われる向きもあると思うが、そのような人にこそ目を通していただきたい書である。

文章は非常にわかりやすい。歴史学は、特に理論分野になると時として難解になりがちであるが、本書では理解しやすい形にかみ砕かれている。そして現代歴史学の課題となる分野(「大きな物語」「物語と歴史」「歴史は事実を知ることが出来るか」「歴史の描くべき対象」「歴史と国民性・アイデンティティの関係」など)を広く網羅している。時として意外と攻撃的というか積極的に論難する箇所が見られるのがまた面白い。
今までの歴史の入門書と称する書物ではかならずと言っていいほど多くのページを割いた歴史学の歴史や資料分析・批判など専門家以外の人々にとって気力を萎えさせられる分野に力を注いでいないのがよい。
著者のテーマは「歴史は何の役に立つの?」である。

対象は大学生、入学直後の大学生か歴史を専門としない教養として歴史を学ぶ(単位のために学ばざるを得ないか?)学生を意図しているであろう。

また、あとがきにも記されているように「歴史に関わる優れた啓蒙書を紹介するブック・ガイド」も著者の意図するところである。

取り上げられた書には私も読んだことのあるものから名前も聞いたこともないものも様々である。
なかでは「砂糖の世界史」「人はなぜエセ科学に騙されるのか」「茶の世界史」「漢帝国と辺境社会」「グレートジンバブウェ」は知的好奇心を刺激された覚えがある。
そして著者一押しの「青きドナウの乱痴気」や「動物裁判」は是非一度目を通したいと思わされた。
このようなブックガイドこそがさらなる探求に資するために最も重要なものである。これがあってはじめて優秀な入門書といえるものである。現代歴史学の困難に直面して 1963年生まれの社会経済史家(経済学博士)が、歴史学のコンパクトな入門書として、また歴史学のブック・ガイドとして、また歴史を考える枠組みの再検討を意図して、2004年に刊行した本。ブック・ガイドとしては、内容の全てを説明せず、読者の関心をひくことを第一義として論じており、その手際は鮮やかである。現代歴史学の困難について、とりわけ認識論と社会的意義に重点をおいて論じている。前者=客観的な認識は可能かという問いについては、史料批判などによって、「コミュニケーショナル(注:ダベリというよりは「対話」)に正しい認識」に至り、さらにそこから「より正しい解釈」に至ることはできるという、妥当な回答が与えられている。後者=歴史を学ぶ意義については、真実性という基準をくぐりぬけた知識を供給するなら、それは確実に社会の役にたっているという、これまた妥当な見解が披瀝されている。煮え切らない表現も多いが、それは著者の問題というより、これらの問題の根の深さゆえだろう。それをこれだけ分かり易い記述にした点は確かにすごいが、その分いい加減に感じられる記述もあり、文章を書くことの難しさを改めて感じた。良くできた本小田中氏の新著は、新書に要求される最短距離で伝えたいことを分かりやすく伝えるという要求を満たしつつ、氏自身の考えを過不足無く伝えた好著。内容はといえば、ヴィトゲンシュタイン、ポパー、クーンを下地にした「コミュニケーショナルな認識の正しさ」を担保することができるかどうかに「歴史学」の存立条件を据え、従軍慰安婦問題から、価値相対主義論争、「物語りとしての歴史」論争、などなどを整理し、配置して行くというもの。これだけのコンパクトな文章に、これだけの情報量を、平易に書ききることができる著者の論理的な思考に脱帽。




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