レビュー
炭焼き山に通じる一本道に店を構える男が、仕事を終えて下山してくる大勢の少年相手にさまざまな工夫で濡れタオルを売る、という物語からマーケティングにおける心理面の効果やテクニックを解説した1冊。心理術などが主体の本と違って、誰に何を売るかの決定から売り上げアップや顧客囲い込みなどまでの実践プロセスがベースになっており、マーケティングや営業、販売の基本を順に学べるのが特徴である。 たとえば、男が強引に売りつけてしまった日の翌日に少年たちが店の前を素通りするというシーンからは、時間をかけて築いた信頼関係、顧客満足が一瞬にして壊れることや、押しつけよりも「自由度のある提案」が受け入れられやすいという心理などを解説している。 また、男の店の隣にはライバル店も出現。ネーミングや看板広告、セールストーク、口コミなどによる競争も繰り広げられ、各シーンがひも解かれる。最後に男はブランド戦略にまで踏み込むという筋書きである。 余分なものが削ぎ落とされた物語は印象深く、現実のより複雑なシーンを読み解く際の力になる。解説には事例も交えてあり、身の回りの企業やお店がどんな心理テクニックを使っているかが知れるのも興味深い。 もう一歩深い知識が欲しい場合は心理学、マーケティングの各テキストが必要になるが、本書にはそのエッセンスが絶妙なバランスで取り込まれており、顧客心理から遠ざかっていないかを検証する良きツールになる。販売不振に悩む人にはおすすめだ。(棚上 勉)
カスタマーレビュー
おもしろい!始めはおとぎ話のようになっているのですが、 あとでちゃんとマーケティングにつながっています。 大学のマーケティングの教科書よりわかりやすいです。 もし、あなたが、煙突掃除を終え、 顔が真っ黒な少年と顔に汚れひとつない少年 に会ったら、どっちに濡れタオルを渡すでしょうか? もし、わからなければこの本を読んでみましょう。読みやすかった!わかりやすかった!めちゃくちゃ、簡単なんだけど、 販売の原則がすべて、わかりやすく書いてあります。 1時間の車の移動中で完読できるほど、読みやすくて わかりやすいです。 これは、販売心理の教科書として1冊あるといいと思いました。 ただし、具体的な他社の事例などはないです。
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