レビュー
カー用品の卸売業者として知られているイエローハットの創業者、鍵山秀三郎。彼がいろいろなところで語った話を、一日一話形式にまとめたのが本書である。内容は、誰にでもあてはまる精神論がほとんど。難しい話ではないが、人間として必要な思いやりの心や、誠実に生きる姿勢などを、自らの経験に裏打ちされた言葉でつづっている。 全編を通じてキーワードとなっているのが、創業時から現在に至るまで続けているという“掃除”である。誰に強制するわけでもなく、トイレをはじめとした社内や社外近辺などを丁寧に掃除してきたことが、社員の心を落ち着かせ、ひいては取引先の信頼につながったという。 鍵山は、「必ずしも、自分がしなくてもいいことを少し多めにやる」ことが、人間としての器の大きさや魅力につながると語っている。自分がしなくてもいいこととは、掃除や後片づけ、世話役といった細々としたことを指す。こういったことを積極的に引き受ける行動や心構えが、自己鍛錬になり、巡り巡ってほかの人から評価されるポイントとなっていくという。とはいえ、他人の評価だけを目的にしていると、その卑しい気持ちが顔に現れる。無の心で続けることが大切なのだ。 掃除を続けることでさまざまな気づきがあったという著者の教えは、誰にでも思い当たることだけに、心に響く。本書は、ビジネスパーソンだけではなく、教育に携わる人や、子供を持つ親にもおすすめしたい。一日一話ずつ読み進めていくのも良いが、一話が非常に短く、簡潔にまとまっているので、読み通してしまうことも苦にならない。(朝倉真弓)
カスタマーレビュー
現代最高の人格者あるセミナーの講師が、「現代日本で最高の人格者は鍵山秀三郎先生であろう」と話しているのを聞きました。 私は経営者であると共に、全国の他の経営者たちの御指導をさせていただいております。この本について、経営者たちにこう申し上げております。 「この本に書かれたことの半分でも実行すれば、一流の経営者になれます。全部実行できれば、最高の経営者になれます。」 私の専門は事業再生です。事業の再生、企業の再建は、まず人の心の再建から始まるのです。この本に、どれだけの勇気を頂いたでしょうか。有り難うございます。深く感銘を覚えます私は10年来の鍵山秀三郎さんのファンです。 この書籍は鍵山秀三郎氏の経営哲学・人生の心得の集大成と深く感じ入りました。過去の鍵山氏の言葉、講演録などから抜粋し、一日分を200文字以内で短くまとめています。分かりやすい言葉でありながら、実践を通して積み上げた言葉には深い含蓄があります。当社では毎日朝礼でその日の文章を読んでいます。当たり前のことが当たり前に出来るには、年期がいります。この書籍を通じて当社の社風を少しずつ良くしたく願っております。
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