カスタマーレビュー
面白くてためになる、本邦初公開の人物談 著者が選んだ、12人の人物談である。歴史は本来人物談である。だから面白い。戦後、左翼系学者の書いた歴史書は主義主張は別としても、活き活きした人物像が不在で、全然面白くない。封建制とか独占資本とか、人民とかいって抽象的で顔がない。 本書は聖徳太子から岸信介まで、日本文明の礎を築いた12人の人物談、抜群に面白い。本地垂迹説、心学をからめて、芭蕉の「奥の細道」が、西行の跡をたどる宗教的な旅であった等々、本邦初公開、どこでも読んだことがないユニークな人物談が満載。野間清治も登場するが、面白くてためになるとは、この本の為の言葉でもあろう ある著名な宗教家(大川隆法氏)が、著者の過去世として、アメリカの政治家、ベンジャミンフランクリン、徳川家康に三浦按針と共に仕えたヤーンヨースティン、そして伊勢物語の主人公の在原業平の三人の名を挙げている。著者が西洋もの、日本もの、両刀使いである事を考えると、なるほどとうなずける。特に、本書の徳川家康についての洞察は、実際に家康と会った事のあるヤーンヨースティンからのインスピレーションも多分に働いているとすれば、これは誠に興味深い話ではないか。かくのごとく、多くのファンを持つ著者の天才的洞察は、いわゆる「般若の智慧」「般若波羅密多」という事である。ロマンあふれる話ではないか。このように想像力を働かせ、著者の提供する歴史空間に遊んでみてはいかがだろう。
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