レビュー
不況による業績不振やリストラなどの不安で元気のない企業ミドルにとって、次のようなメッセージは刺激的だろう。 今、ミドルには閉塞感を突破するミッション&ビジョンが求められている。日々の目標、半期の目標にこだわるだけで、社会人として、地球人として、人間としての大きな視点を忘れていないか。時代が変わる今は、どうやるか(HOW)ではなく、何をすべきか(WHAT)が重要だ。夢を語るのは、ミドルの責任でもある??。 本書はこうした夢、ミッション、ビジョンが、どのような発想やスキル、マインドによって構築できるのか、また、それによってチームや企業をどう変えられるのか、そしてその手法は何かなどを、さまざまな事例を交えながら掘り下げている。提示する指針やアドバイスはじつに明快である。「ミドルは部門の3歩先を読み、2歩先を語り、1歩先を照らせ」「『したいこと』『すべきこと』『できること』の重なりを見極める」「ビジョンは夢を実現させるための道筋」「プロセス重視のマネジメントの基本はモチベーション」…。 著者流の機知に富んだ歯切れのよい表現や巧みな読解も手伝って、本書で夢やミッション、ビジョンの役割や機能、位置づけが明確になっている。「プラットフォーム」「コミットメント」などリーダーとして気になる用語の掘り下げも興味深い。また、「生かされている事実」に気づくことや、チームのメンバーを信じ、幸せを考えることの大切さを説くなど、深い人生哲学や倫理観に裏打ちされた論考も魅力である。ミドルとしての、あるいはビジネスパーソンとしての幅を広げてくれる1冊である。(棚上 勉)
カスタマーレビュー
熱い思いを現実にするためにはこの本では大きく、「リーダーシップの条件」「チーム力UP!!」について書かれています。まず、リーダーシップの条件で参考になったことは。緻密であることです。これが、原点であると思われます。なぜなら、変化に気づく事→独自性を持つ→夢→現実につながるからです。チーム力UPで参考になったことが戦略です。戦略は捨てる事であるということです。戦略は難しいものと感じていた僕にとって、戦略がビジョンをより明確化するためのものであると知った時は知的興奮を覚えました。 この他にも、夢を現実に変える方法が記載されています。人によって知的興奮を覚えるとことは異なると思います。 面白いけどまとまりがない「ビジョンシップ×マネジメントシップ」という面白くかつ説得力があるフレームワークを提起しているのは良いところです。しかし、本全体としてのまとまりがないために、「リーダーシップとは何か?」を網羅的に分かりやすく説明するのには失敗していると考えます。したがって、自分なりにリーダーシップのフレームワークができている人が、新たな視点を得るためにざっと読んでみるというのが正しい使い方でしょう。リーダーたるものこうありたい日頃、目標とかビジョンの大切さを感じているが、なかなか描けなくてという方へ。 タイトルから「技術」=そのHOW TOを期待して読んだのですが、HOW TOではなくWHATが大切だということを再認識しました リーダーシップ=ビジョンシップ×マネジメントシップ HOW「どうやるか」ではない、WHAT「何をやりたいのか」だ・・・ 筆者の熱い思いが伝わって来ます。 軽い体裁の本ですが、中身はきちんとあり、きっちりと時代とマネジメントの流れの説明もあり、メモすべき要点もたくさんあります。 組織の活性化の為には、粘り強く、ビジョンを熱く語り合うような元気な組織作りが大切だと思います。 その為には、自身のWhatを見つめ直すことがまず第一。何度も読み返したい本です。
|