カスタマーレビュー
表計算ソフトの歴史としくみがわかると、もっと使えるようになるソフトウェアに限った話ではないが、モノゴトは、しくみがわかると、使いこなしのレベルも上がる。 ブラックボックスになっていたのでは、使いこなすレベルにはなかなかなれない。 エクセルにしたって、ソフトの裏側で、今、どんな処理が行われているかを知っていれば、しくみを前提とした操作方法がとれるはずだ。前半部分で、エクセルが完成するまでの歴史が書かれているが、個人的には、この部分が一番共感して読めた。 1979年に発表されたVISICALCは、私もよく使った。考えてみると、現在、流通しているソフトは、ほとんどが、アップル2というパソコン用に開発されたソフトを源泉にしている。すごいことである。 その後の、PC互換機用の1?2?3やアシストカルクもよく使った。とくに、自分もプログラムの参考にした、1?2?3のプログラミングレベルには驚いた。 そういった個人的な思い出もあるが、文化史としての表計算ソフトの話をもっと読みたいと思った。 エクセルにたどり着くまでに、いかに多くの天才的試みがなされてきたか、また、マーケッティング戦略はどうだったのか?など、知りたい。 後半は、表計算ソフトの原理と、原理をわかった上での使いこなしの手法が書かれている。これを読むと、エクセルがいかに、人類の智の結晶であり、すごいプログラムだったのだということが実感できる。 エクセルの内部的な話が、とてもわかりやすく説明されている。 単に使っているレベルから一歩進むために、こういった本を読むことはとてもよい刺激になるだろう。
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