レビュー
Java等のオブジェクト指向言語がシステム開発の主役に立ってすでに久しい。しかし、それに反してオブジェクト指向自体の普及はまだまだといった感をぬぐえない。不完全なオブジェクト指向は、後の改修やバグフィクスはもちろん、開発コストを考えても「やらない方がマシ」な場合も少なくない。一度プログラミングをマスターしてしまった人にとっては、オブジェクト指向という思想をマスターしようとする際に、経験が邪魔をしてなかなかうまく頭を切り替えられないようだ。そのうえ、抽象的な概念論はさらに敷居を高くする。 本書は、オブジェクト指向をいちから、しかも、難解な抽象論に陥らず、読者の興味を引きつけながら柔らかい語り口で解説する。「私が許可するまでは、「コンピュータに置き換えて考える」「実際の業務開発で適用するときのことを考える」「コーディングに置き換えて考える」ことは、絶対にしないでください」(第2章より)のように、既に他の入門書を読んだ人には意外な導入から、ユニークな演習を通じて、オブジェクト指向を自然に読者の体に叩き込んでいく。読者はまるでオブジェクト指向の家庭教師をつけたような気分になるはずだ。また第6章で扱われている品質や要員についての考え方の変化は、文章自体は短いながらも重要な示唆を与えてくれる。 本書は「オブジェクト指向」イコール「抽象的で難解なもの」というイメージを打ち壊してくれる。オブジェクト指向に途中でくじけてしまった人に特におすすめしたい。(大脇太一)
カスタマーレビュー
2年の悩みを一気に解決5年目のSEなのですが、入社2年目からJAVAなどの オブジェクト指向の学習を進めてきました。 どんな参考書を読んでもさっぱりオブジェクト指向の基本が わからなかったのですが、この本を読んだらびっくりするくらい 理解できました。 他の参考書は難しいことを難しく書いてあるのに対して、 この参考書は難しいことを簡単に書いてくれているので、 とてもありがたかったです。 オブジェクト指向をはじめてみたい人には本当におすすめの 本です。特に難しい本を読むとくじけてしまう人に対しては 本当におすすめです。もちろん、いろんな本を読んだけれども、 全然オブジェクト指向を理解できなかった人にもおすすめです。 オブジェクト指向の基本概念から始まり、デザインパターンや EJBの基礎まで理解できるようになる要領本です。この本に もっと早くに出会えていれば、わけもわからず苦悩していた 2年間がなくて済んだと思います。 ただし、オブジェクト指向のEJBやUMLの説明はほんの少しですので、 その部分をメインに学びたいのであれば、他の参考書がいいかもしれ ません。しかしながら、UMLやEJBもオブジェクト指向の基礎があって のものですので、いまいちオブジェクト指向がわからない人は、 絶対に読んで欲しい一冊です。 一見、簡単な本に見えますが、その内容は深く、とても読み応えが あります。この本を5つ星としたら、同種の本で5つ星の本を見た ことがないと言えます。私の人生で一番の本ですので、是非是非、 おすすめしたい本です。例題やその解説は判りやすい第1部はJavaの利点を踏まえた明瞭な解説であり、オブジェクト指向での開発に関する知識が浅い当方にとっては、十分理解/納得できる内容であった。第2部からはアジャイルソフトウエア開発実践を要約したような内容であるため、前提にアジャイルソフト開発関連著書を読んだ事があればすんなり読めるが、初めて読んだ場合はあまり本質がつかめにくいかもしれない。 総じて、本書で掲げていた例題やその解説は、オブジェクト指向初級?中級者向けの教育には大変有効であると感じた。Get The Object Brain !!この本はオブジェクト指向初心者ばかりでなく、オブジェクト指向を 教える立場の人・システム開発者にも最適な本であると思います。 それは、システム開発の第一線で活躍されている著者が次のことを惜 しげもなく紹介しているからです。 ▽「どうやったら短期間で、オブジェクト指向初心者をオブジェク ト指向マスターにできるか?」を何度も試行錯誤・実践しながら 作り出した教育手法を紹介していること。 ▽「オブジェクト指向をどうやって業務に使うんだ?」・「なにが 利点なんだ?」をオブジェクト指向の基本に照らし合わせて紹介 していること。 なるべくならこの本を隈なく読んでいただきたいところですが、J2EE の知識なども盛り込んでいる部分もあり、ご自分のTPOに応じて読んで いただけると良いと思います。 ●オブジェクト指向初心者の方 第1章?第4章を重点的に読み、演習を必ず実践すると良いと思います。 余裕があれば、第6章も読むと理解が深まると思います。 ●オブジェクト指向を教育する立場の人 第1章?第4章までを重点的に読み、教育を実践すると良いと思います。 以前に著者の研修を受ける機会があり、本にかかれている通り 実践するだけで50代の管理職の方までオブ脳を身に付けています。 (もちろん、相手に合わせて教育を行うことが大切ですが・・・) ●J2EEシステム開発者 第5章・第8章・第9章・付録Aを重点的に読んでください。 ただし、オブジェクト指向についてよく分かっていない人は 第1章?第4章を必ず読み、演習を必ず実践しましょう! この本は、J2EEに関するシステム開発手法を 現場の立場から紹介している初めての本ではないでしょうか? この本を読んで、あなたも「Get The Object Brain !!」 そして、周りの人にもオブ脳を芽生えさせ、 どんどんオブ脳を拡大させましょう!
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