カスタマーレビュー
初心者向けとしてよくできているソフトウェアのテスト経験や知識がなく,手っ取り早く テストの基本を知りたい人向きの本.この手の本に良くある冗長な物語形式の具体例が無く, コンパクトにまとめられていて時間をかけずとも読破できる.もう少し具体的な例が欲しかった「SEの現場」シリーズということなので、もう少し実践に則した内容を期待していたが、どちらかというとテスト手法などの理論的な内容が大半を占めていた。時々、難しい式が出てきたりするが、それを除けばSEとしてまさに基本的なことばかりが記載されているので、大方理解できている内容ばかりではないかと思われる。やや物足りない文章は平易、マンガ入りで読みやすい。ページ数もそれほど多くない。テストのことをほとんど知らない人には手ごろな入門書と思われる。 しかし、基本的なことがひととおりわかっている人には、やや物足りない。?具体的にどうしたら効率的にテストができるのか(短期間でテストを終了することができるのか)、?どういうテストケースの作り方をすればよいのか、?どういう順序でテストをしたら良いのか、?効率的にテストをするのに使えるツールにはどんなものがあるのか、?複数人でテストを行うときどのように分担すれば効率が良いのか、?ユーザーの立場で、ベンダーが適切な統合テストを行ったことを効率よく検証するにはどうしたらよいのかといった疑問については、必ずしも明快に答えてくれない。 『SEのための』とあるが、いやしくもSEと呼ばれる方には本書に書かれている程度のことは既に知っていて欲しいというのは欲張りだろうか。
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